シンフォニー・ファンを驚嘆させる男?

CD化によりBeethovenの第5交響曲とのカップリングによってなかなか見かけなくなってしまった第7交響曲のジャケット(実は第5交響曲のジャケットは2種類あって、現在使用されているのはB&Wの神秘的なものですが、もう一つは第7交響曲のジャケットに類似していて、手で顔が隠れそうになっている指揮姿)。元々は個別にCD化されていて、私もそれぞれ持っていました。でも、オーケストラでチェロを担当している人にお貸ししたまま、海外に行ってしまってそれっきりになっています。その後、2曲入りのDGオリジナルスCDを購入して聴いています。でもLPレコードで聴くのと、かなり印象が異なります。このLPを買ったのは高校1年の頃で、発売されてからはだいぶ時間が経っていました。第5交響曲はリコーダー奏者の音楽の先生にお借りして聴いていました。お借りして帰宅するときに、Rafael Kubelikの素晴らしさを教えてくれた OS君からカ・ル・ロ・ス ク・ラ・イ・バ・ー?と笑われてしまったのを覚えています。第5交響曲の演奏に大感激した私は第7交響曲の録音もあることを知り、期待を含ませて購入したということです。初めてレコード針を落として聴いたとき、すぐに止めて再び曲の冒頭から聞き直したことを覚えています。今響いた音はなんだろう?と思いました。それまでに聴いてきたKarajanなどの演奏で聴かれた音とは異次元の響きだったからです。各楽器の音の分離が良く、粒よりの音で、ステレオ装置の利点もあり、楽器配置が明確に判別できました。なんとも新鮮! この演奏では、ヴァイオリン両翼配置ですが、左から第一、ヴィオラ、チェロ、第二ヴァイオリン、チェロと第二ヴァイオリンの奥にコントラバス、やや左奥にティンパニ、右奥にホルンとなっています。他の金管楽器はティンパニとホルンの間、その前に木管楽器が配置されているようです。この配置は、クナKnappertsbuschやMonteuxが採用したことでも知られていますが、当時のWiener Philharmonikerが通常採用していた配置のヴィオラと第二ヴァイオリンを入れ替えたものとなっています。こんなに興味深く楽しくBeethovenのオーケストレーションを聴くことができたことはありませんでした。この演奏では楽譜に指定されていた反復を敢行しています。Carlosのライブ演奏では第一楽章と第四楽章の反復は行なっていませんが、第三楽章の反復はこだわりがあったのか常に行っていました。もちろん、第二楽章Allegrettoのピッチカート終止にはびっくりしました。Kleiber父子以外ではOtto Klempererの演奏で確認できます。もう一人別の指揮者の演奏で聴いたことがありますが、思い出せません。当時の音楽誌では、Beethovenの自筆譜が明確でなく判別しにくいとか、第三楽章に備えて弓を持つという意味でarcoと書かれたなどが根拠のように書かれていましたが、やはり演奏家本人に聞いてみないと分かりませんね。あのKlempererも同様にピッチカート終止を行なっているので、なんらかの根拠はありそうです。この録音での不満は、第四楽章を第三楽章から続けて聴くときに、テンションが下がる感じがすることです。もしかすると、別の日に収録したのかもしれません。ライブでの印象が強すぎるのでしょうか? いずれにせよ、帯に書かれているように驚嘆される演奏です。さらに、この演奏の空恐ろしさのようなものも感じられました。音楽は新鮮で熱狂を伴う演奏なのですが、その背後になんとも言えない静寂感があるのです。本人は私たちが考えているよりも、自分の演奏を客観的かつ冷静に聴いているのだと思います。これはCarlosのTristanやBrahmsを聴いても似たような印象も受けました。 Carlosのスタジオ録音に共通した特徴なのか録音技師、処理によるものか不明です。でも、こうした神秘的な印象や初めて聴いたときの印象はCDからは受けません。Carlosが自分の録音のCD化に難色を示したということをどこかで読んだことがありましたが、こうしたことも理由なのかもしれません。

Carlos7.jpg

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