ゼレンスキー演説
ゼレンスキー・ウクライナ大統領はアメリカの議会で演説を行いました。その内容には、オーディエンスであるアメリカ人の過去の記憶や心に訴える文言を含むしたたかな演説であったように思えます。例を挙げると、日本軍による真珠湾攻撃、2001年のニューヨークの世界貿易ビルへの航空機激突(テロ)による事件など。アメリカ人のこころに残る怒りや憎しみを先導するような出来事を引き合いに、孤立したウクライナに対する支援、ロシアへの避難、そしてこれまで民主主義国が掲げていた安全保障に関わる欺瞞などを訴えるように聞こえました。確かに冷戦終了時に、ウクライナに存在したソ連の核を含む兵器の撤去は、アメリカ、ロシア、イギリスなどがウクライナの安全を守るという事で実現したものでした。しかし、自国を守る兵器が撤去され、30年経ったのち、ロシアによる侵攻。確かに平和憲法を掲げる日本も他人事ではありません。日米安保は有事に機能するのか? 日本の国会、そして私たち国民は真剣に考えなければいけません。さて、そのゼレンスキー氏、日本の国会議員に対しても演説を希望しているようですが、何を引き合いに出すのでしょうか? 旧ソ連による日ソ不可侵条約の一方的破棄後の侵略、唯一の爆国である事であることで核戦争回避、日米安保の脆弱性について日本人の危機感を扇動することなど。しかし、各国で演説を希望して、こうした過去の事例を強調すぎると不都合なことも生じてしまうのではなかと思います。引き合いに出された当事国はそれぞれ異なる歴史観や解釈をそれぞれの立場で持っているものです。アメリカ人の心に響く内容でも日本人には受け入れられないこともあります。またその逆も。結果として、機会ごとに調子のいいことを言って歩いている人=オポチュニスト?と受け取られかねないことにもなります。スピーチライターが存在することは容易に想像できますが、言葉にご注意を!
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