迫る理研大量リストラ
今日10月3日は2022年度ノーベル賞の発表が始まる日ですが、先週から日本では研究者にとっては心配なニュースが経済誌でも話題になっています(https://news.yahoo.co.jp/articles/2ccd92799c3152d8e8b8fc52b721c27bbafbe3ae)。 以下記事の内容を抜粋すると、「理研は2013年4月1日を起算日として、2023年3月31日で有期雇用が通算10年になる研究者を雇い止めする。2013年4月1日に施行された改正労働契約法では、研究者は同日を起算日にして有期雇用が通算10年を超えれば、無期雇用転換申込権を得られると定める。理研の雇い止めはこれに対応した無期雇用転換の回避策として違法になる恐れがある。」。この2023年3月31日で有期雇用が通算10年になる研究者が大量に解雇される可能性があり、その人数は400人とも言われています。上記にあるように、「研究者は同日を起算日にして有期雇用が通算10年を超えれば、無期雇用転換申込権を得られると定める」とされていますが、必ずしも再雇用あるいは無期雇用転換申込み権が得られる保障はありません。先端技術に関わる研究は日進月歩で、もし仮に10年前に立ち上げた研究プロジェクトが、当時としては有望なものであっても、10年後にはどうなっている変わりません。自他のグループから決着してしまっていたり、根拠となる理論に誤りがあり研究がストップしてしまったり、時代遅れになってしまうと、プロジェクト自体が廃止されることもあります。理研のような日本でトップクラスの組織では、毎年のように行われる進捗状況の審査にパスできずに廃止、グループ解散に追い込まれるラボも少なくありません。そしてより将来有望な研究者で新しいプロジェクトを推進できるような入れ替えは常に行われています。私は理研で働いたことはありませんが、研究予算は国公立の研究室の10倍以上、給与も普通の研究員であっても大学の准教授くらいの額と聞いたことがあります。研究者としてはかなり恵まれた待遇と考えられます。そのため、実績だけの基準で解雇となるのは致し方ないように思えます。しかし、問題は基準なるものがそうではなさそうに思えます。単に10年という区切りで、解雇理由はなんとでもつけてくる可能性があります。雇用する側は雇用契約書の内容を一方的に都合よく利用するので注意しなければいけません。さらに、私の経験でも恐ろしいことがありました。実績ベースでの判断なら納得行く人もいるでしょうが、不思議の10年以上も実績のない研究部長などがそのまま雇用され続けています。それはこの期限をめぐる雇用契約の前から雇用されているからということにしています。さらにおかしいのは研究所における編成替えで、新しい部署名や研究プロジェクトの発足により、自動的に再雇用(=この起源に関する新雇用契約)にすり替えられるケースもあるということ。そして結果的に解雇されるケース。この補正予算で10兆円規模の研究予算を追加すると言われているのに、誰がその恩恵を受けるのか?と考えると、きな臭い匂いもしてきます。若手を登用すると大きな声で言っていても、還暦をゆうに超えた大御所の大先生には以前として複数の研究室を運営している人もいます。結局この件でリストラされてしまうのは40から50歳代の中堅でもっとも活動的(働き盛り)な世代なんですよね。返さないといけない奨学金もあるのに。とことん高齢者と子供だけに甘い社会ですな。
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